メディア・トレーニングにも女性脳と男性脳がある?!

2013年8月26日

41PkLCZAFaL__SS500_黒川伊保子著「キレる女 懲りない男―男と女の脳科学」(ちくま新書)を読みました。

黒川さんは、よくJ-WAVEの番組にも出演されているのでお名前は存じ上げていましたが、著書を読むのは初めて。よくある恋愛指南本かなと思ったら、読み応えのある脳科学の本でした。メディア・トレーニングにも役立つ知識が盛りだくさんだったのでご紹介します。もちろん、個体差があるというのが前提です。

元々、男性と女性では言語を司る脳の発達に違いがあって赤ちゃんも女の子のほうが早く言葉を覚えるという一般論的な情報はしっていました。実際、メディア・トレーニングを行っていても女性アスリートのほうが興味を持ってくれるし、吸収が早いと感じます。

黒川さんによると、女性は、目の前の人やモノ、コトの変化に敏感に気づき「察し」「勘」がいい。そして、感情を言葉にするのが得意。ただ、気分次第で発言がかわることも・・。また、女性脳は一説には1日に約2万語も脳裏に浮かぶと言われ、そのうち6千語しゃべらないとストレスが溜まるらしいのです。私自身もそうですが、思い浮かんだままに言葉にしていくので「結論から簡潔に述べること」が苦手。

一方、男性脳は女性脳に比べて、右脳と左脳の連携が悪いという特徴があるそうです。つまり、感じたことを言葉で表現するのが苦手。でも感情にブレがない。実際のメディア・トレーニングでも、男性アスリートは感情を言葉にするのに女性より時間がかかります。1回の短いセミナーでは効果がでなくても回数を重ねると確実に効果が現れると実感しています。

最初に述べたように、もちろん個体差がありますが、普段セミナーを開催しながら感じていることとほぼ同じ結論だったので、妙に納得しながら読み進めることができました。

サバサバしていて男性的と言われることの多い私ですが、脳は完全に女性脳。男性脳で成り立っているスポーツ界・ビジネス界でうまくいかない理由も見えてきてとても参考になる本でした。男性を対象としたセミナーでは「ポイントは3つあります」とか「具体的なデータがあります」と明確に説明することが重要のようです。そしてゴールを明確にする。これは男女に限らず普段から心がけていますが、より心がけて話そうと思いました。

NPO法人日本スポーツメディアトレーナー協会 糸川雅子

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