キーメッセージ作成は真意を消すのか?!

2013年1月28日

メディア・トレーニングの特徴として

キーメッセージの作成

という過程があります。 これは、メディア取材という限られた時間の中で伝えるべき、強調すべきメッセージを事前に確認する作業で 話し方教室やインタビュー実習との違いの1つでもあります。

インタビュアーとしては、事前に用意されたメッセージほど つまらないものはありません。企業のPRや謝罪会見と違い ライヴ感を重視するスポーツ界においてはタブーと言ってもいい程です。 そういった理由から、アスリート向けのメディア・トレーニングでは 導入していないトレーナーの方が多いと聞きました。

ただ、考えてみて下さい。

とっさのファインプレーも、その瞬間だけを捉えれば‘アドリブ’ですが そのアドリブの背景には、様々なシチュエーションを想定した基礎練習が あり、それらが身体にしみついてこそ生まれるわけです。

メディア・トレーニングは、読んで字のごとくトレーニングです。 この時間にメッセージの作り方や、そのメッセージをどう組み合わせ どう表現するかの積み重ねがなければ、アドリブで、しかも試合直後に 感情を素直に表現することなど神がかり的だと思います。 まあアスリートには「ネ申」も多く存在する気がしますが・・

以前、パブリックスピーキングに関するアメリカの本を読んだときに

お喋りとの違いは、事前の準備が必要なこと。

と書いてありました。インタビューも広い意味でパブリックスピーキングです。 だとすれば準備なしに臨むのは聴衆(視聴者・読者)に失礼だと思うのです。 準備は何もキーメッセージの作成だけではありません。

新聞を読む・本を読む・仲間と話す・人の話を聞く

そんな下準備があってこそ、とっさの質問にも誠実に自信を持って自分の メッセージを伝えることができるはずです。 特に、最近のアスリートの傾向として、紋切り型・・つまりどこかで聞いたような 定型のメッセージが多いという意見は、スポーツ界の内外で耳にします。 それを打破し、オンリーワンのメッセージを発信するためには、 キーメッセージの作成は必要不可欠だと思います。

JSMTのメディア・トレーニングでは「キーメッセージの作成」は基本設定という考え方で提供していきたいと思います。

NPO法人日本スポーツメディアトレーナー協会 糸川雅子

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